外観検査は最終検査
外観=見た目の重要性
大きなものでは自動車や家電製品、小さなものでは缶ジュースや化粧品など、めっき加工されたり、表面にツヤや光沢のある処理をした商品は外観がとても大切です。
自分が何か物を購入するとき、やっぱり外観(見た目)はとても気にしますよね?
せっかくお金を払って購入するのだから、同じ商品の中から、キズやヘコミのない、キレイな商品を選びたいです。
その心理の現れの一つとして、棚に陳列された商品を選ぶ時、最前列の物より一つ二つ後ろの商品を選んではいませんか?
食品であれ、雑誌であれ、洋服であれ、手前の物は不特定多数の人が手に取っている可能性があり、表面に傷や汚れがついているかもしれないという考えからです。
このように、消費者の購入行動に大きな影響を及ぼす外観を検査するのは、製造メーカーにとってはとても重要な検査工程になります。
外観検査
それでは、外観検査とは何なのか、基本的な概念をまずは知りましょう。
外観検査とは、字の通りではありますが、商品や部品の外観に傷や汚れ、異物が付着していないかを確認する検査です。
見た目の美しさだけの問題ではなく、製品の機能に害を及ぼす可能性のある傷もありますから、品質維持の観点からも重要な検査でもあります。
外観検査を必要とする商品は実に多くの種類があります(というか全ての商品が対象となります)が、商品そのものの外観検査だけではなく、
商品を構成する部品についても外観検査は行われます。
例えば機械部品の代表ともいえるネジですが、金属を削ったり研磨したりする際に発生するバリが付着したままではないか、というようなチェックを
外観検査の一環として行われます。
バリが残ったままのネジを使えば、そのネジを使用した時に緩み・たわみが発生して、完成した商品の品質・安全性を損なう危険性がありますので、
小さな部品の外観検査といえど、とても重要な工程のひとつなんです。
外観検査の方法
外観検査は多くの場合、人による目視で行われています。
完成品の「限度見本」を判断基準として、品質上の合格・不合格の判断を検査員が目で見て行います。物によって検査すべき項目が変わります。
完成品の色、キズの大きさ、ブツの大きさなど、検査項目それぞれに限度の基準が設定されており、検査員はそれらを踏まえてチェックを行い、
合否を振り分けていきます。
それでも、人間の目視による検査にも限度があります。
明らかにNGなキズや汚れはともかく、限度見本ギリギリのラインで判断しなければならない時に、検査員によって判定にブレが生じるなどの問題があります。
この問題については、別の章で詳しく取りあげたいと思います。