めっき品外観検査

キズが目立ちやすいめっき品

めっきとは

「めっき」というのは金属もしくは非金属の表面に薄い金属の膜で覆うことで、機械工学上では表面処理と呼ばれる技術のひとつです。 カタカナ表記で「メッキ」の場合もありますし、「鍍金」という漢字で表記してめっき、ときんとも読ませます。 ことわざで「めっきが剥がれる」という表現がよく使われますが、これは上辺だけを取り繕ってごまかしていたのが、 次第に表面に本性が現れてくること、正体がばれてしまうこと、というようなネガティブな意味合いで、あまりいい印象ではありませんね。 実際に表面処理で行われる「めっき」は、見栄えを良くするという点ももちろんありますが、強度を高くする、耐摩耗性を高めるといった効果もあります。

めっきの種類

めっき処理には様々な種類・方法があり、用途によって最適なめっき処理法が採用されています。 ここではめっき処理の方法の中でもメジャーなものをいくつか紹介します。 まず、めっきは大きく分けて電解めっき(電気めっき)と無電解めっきとに分けられます。

【電解めっき】
外部の電源を利用して、めっき処理させたい物の表面に金属イオンの還元反応を発生させて被膜させる方法です。 電解めっきを施すことで、表面を美しく装飾することや、硬くしたり、摩擦をやわらげたりする他にも、防蝕(サビ止め)の役割も果たします。

【無電解めっき】
電解めっきのように外部の電源は利用せずに、化学薬品の還元作用によって表面に被膜させる方法です。 昔は電解めっきの手法しかなかったので、通電性のある物質にしかめっき処理はできませんでした。 その後、技術が進歩して、化学反応を利用することで電気を使用しなくてもめっき処理することが可能になりました。 この無電解めっきが可能になったことは、ある意味革新的なことです。 現在では多くの商品に使われているABS樹脂、いわゆるプラスチックは電気を通さない(通電性のない)物質です。 そんなプラスチックにもめっきを施すことが出来るようになったので、元々は装飾的な意味合いの強いプラスチックへのめっき処理は 耐水性や耐候性といった観点からも重要視されています。

めっき品の外観検査

めっき品は光沢性のある表面処理なので、小さなキズや異物付着も目立ちやすいです。 めっき処理を見栄えの良さ(装飾性)を狙って施している意味合いも強いので、めっき品の外観検査は特に気をつかって行われています。 めっき品に限らず光沢性のある表面処理を施した製品の外観検査(光沢面検査)について、次章で詳しく紹介していきたいと思います。