画像検査やAIによる外観検査
目視検査
外観検査は今後も人による目視検査がなくなるということはないでしょう。
しかし、どうしても人間の判断ではバラつきが生まれます。それは、検査員の熟練度によっても変わってきますし、
同じ検査員でも、その日の体調によっては検査判断が変わったりもします。
先ほど紹介したような光沢面の外観検査は特に難しく、品質のバラつきリスクが懸念されますので、
画像処理システムによる外観検査を取り入れる企業が増えていくことが予想されます。
画像処理検査
こういった画像による外観検査の需要の高まりから、画像処理検査装置のメーカーは装置の技術開発に力を入れています。
撮影する画像をより鮮明にするための技術から、撮影した画像で不良部分を際立たせるための画像処理技術など、
数年前のシステムを考えると、比べ物にならないくらい飛躍的に進歩しています。
特に、画像処理にかかる時間はかなり短縮されているので大量に生産される製品の外観検査にも対応できます。
自動車産業における検査
この画像処理システムを利用して外観検査を行っている業界としては、まず自動車産業が挙げられます。
みなさん、1台の自動車を完成させるのに、一体いくつの部品が使われているかご存知でしょうか。
実は、ネジのような小さな部品も含めてカウントすると、なんと約30,000個もの部品が必要なんだそうです。
そして、その一つ一つの部品すべてに対して、それぞれのメーカーにおいて検査工程があります。
外観検査だけでなく、大きさ、歪み、強度など、検査項目は多岐にわたり、それらの検査で合格と判定された部品の集合体が1台の自動車となるわけです。
自動車は日本の主力産業のひとつであり、その品質・性能・ブランド力は世界トップクラスです。
自動車は便利な乗り物で、今や生活必需品と言っても過言ではありませんが、その反面、事故を引き起こすと人命を奪ってしまう凶器にもなりえます。
そのため、検査工程は非常に重要な工程であり、決しておろそかにすることが出来ないのです。
どのメーカーも厳しい検査を行っているにもかかわらず、不良部品によるリコールがちょくちょく起こりますので、難しい問題ですね。